わらしべ夫婦双六旅

2月25日(月)千秋楽 午前11:30 新橋演舞場

まさか伊藤くんを追いかけて、
新橋演舞場に足を運ぶことになろうとは思いませんでした。
今まで出演してきた舞台とは違う、伝統や歴史を感じさせる独特の場所。
主演は、中村勘三郎さん、藤山直美さんという芸達者なベテラン二人。
何がきっかけでこの舞台に立つことになったのかはわかりませんが、
なかなか希望しても叶うものではないと思うので、
かなり貴重な経験になったのではないかと思います。

例によって物語全部を書いていると膨大な量になるので、伊藤くんのシーンのみ。

【第一幕】
最初の登場は、大正時代の説明的な場面。
伊藤くんの役は、天才歌手春雪(矢口真里さん)率いる旅の芸人一座の役者・夢次朗。
春雪が乗った荷車を、若三郎(鯨井康介さん)と二人で引いて来ます。
一座の人間らしく、手を上げてお披露目という感じ。
柔らかいブラウスのような生地のクリーム色っぽいシャツに黒いズボン、黒いブーツ。
このシャツ、前のボタン部分に細いひもがあって結んであるみたい(わかりにくい・笑)
袖口にもヒラヒラフリルみたいなのがついています。
お腹にちょっと幅の広い黒い布を巻いていて、ほとんど王子様のようなスタイル(笑)
この上にカラフルな色の半被を着ています。
細身のズボンとブーツのせいか、一段と足が長くスラリとして見えました。

次の登場シーンが第一の見せ場。
花道につくられた せり から、春雪と若三郎と3人で上がってきます。
このとき春雪と 『恋はやさし』 をデュエット。
♪恋はや~さし~ 野辺のは~なよ~  と春雪が歌ったあと一緒に歌うのですが、
とってもキレイにハモっていて いい感じ。
どうしても好きだから贔屓目で見てしまいますが、やっぱりいい声です。
その後、若三郎が歌うのですが、こちらは音痴という役どころ。
思い切り音をはずして、みんなから呆れられてしまいます。

夢次朗と若三郎は、春雪に思いを寄せています。
小柄な春雪を踏み台に乗せて、
夢次朗は手鏡を見せながら、おしろい用のパフで化粧直しをしているのかな。
伊藤くん、自分でも手鏡見ながらパフで顔を叩くような仕草をしていました。
居合わせた易者によると、
「思いを寄せている男が二人いる」
その言葉に反応して、駆け寄る二人。
易者は、春雪に相応しい相手は、春雪に足りないものを教えてくれる者だと言う。
「足りないものなら衣装もほしいし、髪飾りもほしい」 と言う春雪に、
夢次朗も若三郎も 「俺が買ってやる!」 と口々に言って、先を争うように走って行きます。

髪飾りを買おうとしても、どうやらありきたりなものでは満足できない様子の春雪。
ここで六助(中村さん)とおいち(藤山さん)の夫婦に出会います。
春雪は、わらの先に六助の細工した象牙の飾りがついた、おいちの簪をほしがります。
驚きながらも 「ぜひその簪を譲ってほしいのですが」 と夢次朗。
「これは大事なものだから」 と言うおいちに、頭を下げる芸人たち。
結局、簪を譲ってもらい、代わりに舞台衣装を六助たちに渡して去っていきます。

旅の途中、偶然再会した六助たちと芸人一座。
座長は、浅草の興行主が春雪を気に入ってくれて支度金もあるが、春雪だけではダメだ、
客の心を一瞬にして掴むような芸を持つ者が必要だと言われ困っていると言う。
まとまった金がほしい六助は、おいちをこの芸人一座に売ってしまいます。
おいちを騙して芸を披露させるのですが、藤山さんの達者な演技が見もの。
あてぶりというのかな、六助の話に合わせて一人芝居のようなものを披露。
さらには、春雪と一緒に 『ラブ・マシーン』 を華麗に踊る!(笑)
この芸に爆笑する芸人たち。
伊藤くんも、ほとんど素で笑ってるんじゃなかろうかという、あの爆笑です(笑)
おいちを荷車に乗せて、縄でグルグル縛る夢次朗と若三郎。
そして荷車を引いて花道を通って去って行きます。

【第二幕】
旅館・富士桜の玄関先。
空模様が怪しくなり、雷が鳴り出します。
次々に旅館へと入っていく客、その中に六助もいます。
真っ赤な雷様の衣装を着たおいちを筆頭に、花道から現れる芸人一座。
おいちは、六助が恋しくて、芸も湿っぽくなりがち。
旅館に泊まりたいと ごねています。
「泊まりませんから!」 とみんなが止めると、
おいちの気持ちに合わせるように雷が激しく鳴り、芸人たちが地に伏せます。
夢次朗、尻餅をつくような格好になったり、ばったりうつ伏せになったり。
仕方なく旅館に泊まることになります。

旅館にみんなが入っていく時の、いかにも雷様のようなおいちの様子(説明できない)に、
夢次朗も若三郎も引き気味。
夢次朗は、荷車ごと2、3歩後ずさり。
ここで突然 若三郎が、「そろそろどちらか選んでほしい」 と春雪に迫ります。
なんでこんなときに・・・と夢次朗は戸惑い気味。

 春 「私の相手は、私に足りないものを持っている人」
 夢 「だったら俺には身長がある!」
 若 「夢次朗は背が高すぎる!抱き合う時に台が必要だ。その点俺ならちょうどいい!」
 夢 「それなら俺は肩に乗せる!」
 若 「俺はポケットに入れる!」
 春 「入るかーっ!」

春雪は、「私に足りないものは、歌じゃないかと思う。歌にはその人の心が表れる」
そう言って走っていく春雪に、歌に自信のある夢次朗は 「よしっ!」 とガッツポーズ。
反対に若三郎は 「歌か・・・」 と渋る。
そのあと旅館に入り、階段を上がるところでは、
夢次朗と若三郎がお互いに小突いたり、押し合ったりしながら上って行きます。
千秋楽では、蹴られたか何かした夢次朗が、痛そうに足を押えながら上がったような・・・

旅館でも 『恋はやさし』 を歌います。
ここでは、最初よりも長く歌ったようです。
春雪と二人、非常にいい雰囲気になり、最後には抱き合って終わります。
途中、若三郎も歌に加わろうとするのですが、
やはり音をはずしているようで(実際に歌ってはいないけれども)、
二人に部屋から追い出されてしまいます。
このあたりで、どうやら春雪は夢次朗に傾いたようです。

関東大震災が起こります。
春雪は、私にも何かできるかもしれないから東京へ行くと言い出します。
芸人たちが止める中、夢次朗は 「俺も行く!」 と言って春雪の後を追いかけます。
若三郎も行くと言いますが、春雪はそんな彼に 「ごめんなさい」
「早く行くぞ!」 と先を促し花道を走っていく夢次朗。
後を追う春雪、そしてあきらめきれない若三郎も。

六助とおいちに再会した夢次朗と春雪。
春雪は、「自分の歌には何か足りない、歌を止めようと思う」 と言います。
そして、「夢次朗さんの赤ちゃんが・・・」 と言う春雪に、
「ふたりなら、普通の(大きさの)子が生まれる」 とおいち。
おいちは、生まれてくる子どものために歌を続けたらいいと言います。
お客さんは、そういう温かい歌を聴きたがっているのだと。
「私に足りないものがわかったような気がします」 と春雪。

「春雪」 と名を呼び、夢次朗が春雪を抱きしめようとした時、
「ちょっと待ったーっ!」 の叫び声とともに若三郎が現れます。
「これを使え」 と言って持ってきたのは、踏み台。
夢次朗は、この台に春雪を乗せてやり、ちょうどいいバランスになって抱き合います。
ここでの衣装は、白いシャツに黒いズボンのみ。
背中に風呂敷に包んだような荷物を斜に背負っています。

【ラストシーン】
大きなサイコロを手に持ち、『東京節』 の音楽に合わせてステップを踏みながら登場。
みんなで並んで進んで行って、最終的には一番後ろにいました。

 ***

休憩30分を含めて、ぴったり3時間という長い舞台ですが、
飽きないどころか、どんどん引き込まれて、長さを感じません。
笑ってホロリとさせられて、とっても楽しい舞台でした。
以下は、私の勝手な感想ですので、悪しからず読み流して下さいね。


全体としてはすごく良かったと思いますが、
春雪にとっての 「足りないもの」 というのが、ちょっとわかりにくい気がしました。
「歌にはその人の心が表れる」 というのはわかるのですが、
夢次朗と若三郎の歌は、上手いか下手かという違いしか感じられないので、
どうして若三郎ではなくて夢次朗なのか、選んだ決め手がわかりません。
最後においちが、「自分の子どもに歌うような温かい気持ち」 というのを出します。
これが春雪にとって足りなかったのだとしたら、
夢次朗の歌には、「温かい気持ち」 というのが入っていたという解釈もできるけど、
音痴の若三郎にも、春雪への一途な思いを感じてしまうので、
できることなら夢二郎の中にある 「心」 というのをはっきり描いていただけたら・・・
なんて、そこまで贅沢なことを言ってはいけないかな(笑)

今回の夢次朗という役。
チラシに伊藤くんの名前が載っていないから、役名もない端役かと思っていました。
結果的には春雪の相手役で、名前くらいあってもよかろうに(笑)
パンフレットにも名前と写真だけで、決まりきったプロフィールさえありません。
ほかの方のプロフィールをよく読んでみると、
ちゃんと演技についてとか人となりみたいなこととか書いてあるんですね。
そういうのが読みたかったなぁと思いましたねぇ。
生年月日や代表作だけじゃなくて、どういう演技をする人なのか、ぜひ読んでみたいです。

約1ヶ月という長丁場、本当にお疲れさまでした。
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by hiro3egao | 2008-02-25 02:22 | 舞台
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